●突発性難聴

 診断基準は①突然の難聴、②高度な感音難聴、③原因不明となっています。耳鳴やめまいを伴うこともありますが、繰り返すことはなく1回のみ発症します。診断の際には「高度な」とはどの程度のことをいうのかということが問題になります。軽い難聴なのに突発性難聴とされたり、急性低音障害型感音難聴(下記)なのに突発性難聴と診断される場合もみられますので注意が必要です。

 治療として有効性が確認されているのはステロイドホルモンだけです。施設によっては高気圧酸素療法、ディフィブラーゼ、星状神経節ブロック、鍼灸などが行われていますがそれらが明らかに有効であるという証拠はありません。

●急性低音障害型感音難聴

 診断基準は次のとおりです。①低音3周波数(125、250、500Hz)の聴力レベルの合計が70dB以上、②高音3周波数(2000、4000、8000Hz)の聴力レベルの合計が60dB以下、③原因不明、急性あるいは突発性発症、回転性めまいを伴わない。(1992年、阿部ら)

 以前は突発性難聴とは区別されていませんでしたが、現在は突発性難聴とは別の病気と考えられています。またこの難聴は一旦治癒しても繰り返し発症する場合があり、蝸牛型メニエル病からメニエル病に移行するケースも有ります。

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