甲状腺腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。腫瘍の有無は超音波検査(エコー)で 比較的容易に確認できます。良性か悪性かの判定には、針生検による細胞診が必要です。
甲状腺の主な機能は甲状腺ホルモンを分泌することです。その甲状腺ホルモンが過剰に分泌されている状態を甲状腺機能亢進症といいます。さらに細かくはバセドウ病、プランマー病などと分類されます。甲状腺刺激ホルモン(TSH)、甲状腺ホルモン(fT3、fT4)、TSHレセプター抗体などを調べて診断します。
甲状腺ホルモンが減少した状態を、甲状腺機能低下症といいます。その中では慢性甲状腺炎(橋本病)が最も多く見られます。TSHが高値、fT3、fT4が低値となります。甲状腺ホルモンの原料はヨードという物質ですが、ヨードを多く含むものを過剰に摂取した場合、かえって甲状腺ホルモンが減少します。ですから昆布を食べ過ぎたりイソジンのうがいをしすぎると甲状腺機能低下症になり甲状腺が腫れてくることがありますので注意が必要です。
簡単にいうと甲状腺が腫れて痛くなる病気です。甲状腺組織が破壊されてホルモンが血液中に流出するので甲状腺機能亢進症を伴うことが多いですが、一時的なものでその後逆に甲状腺ホルモンが低下し最終的に正常に戻るとされています。ステロイドホルモンがよく効きますが、服用する量と期間には注意が必要です。
20歳代から40歳代の女性に多い病気です。扁桃腺が腫れて頸部のリンパ節が腫れるのですが、抗生剤を処方されても治らないということで心配されて受診されることがあります。通常の扁桃腺炎やリンパ節炎の場合には、血液検査をすると白血球が増加しているのですが、この病気の場合は逆に白血球が減少しています。治療にはステロイドホルモンが有効ですが、服用する量と期間には注意が必要です。