小児の急性中耳炎が治りにくいということをよく聞きます。2歳未満であることや集団保育をうけていることも治りにくい条件ですが、最も重要なのは抗生剤が効きにくい耐性菌が増えてきたことです。しかもその耐性菌が複数感染していることがあります。当院では積極的に細菌検査を行いどの抗生剤が本当に効くのか調べています。原因菌として多いのは、肺炎球菌、インフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは別物です)、モラキセラ・カタラリスの3つです。
小児特に5歳前後に多いこの疾患は耳管という鼻の奥と耳をつなぐ通路が正常に働かなくなって起こります。副鼻腔炎を合併していることも多く、両方を治療する必要があります。まず抗生剤や消炎剤による治療を行いますが、治りにくい場合には鼓膜切開術や鼓膜チューブ留置術が必要になります。